③設定の作り込みが半端ない
これは同作者さんの【千年時計】でも感じた事ですが、メインとなるPTメンバーは勿論、名前を与えられている登場人物は高確率で深みのある過去と他の登場人物とのドラマ的繋がりを持っています。
それらの設定は、メインの物語にもガッツリ絡んで来るので他人事とは思えなくなって来る作りになっています。
これが実に上手い!
『そこで繋がって来るの!?』とか
『そんな人だったの!?』とか
驚きや発見の連続で面白かったですね。
この作品は世界の歴史と理をかなり深い所まで作り込み、それを物語に組み込んでいます。
王道故に、ある程度予測の付く所があっても、更にその先の深い作り込みや事情にドラマがあるから見てしまうんですよ。
少し良いなと感じたキャラがいたら、そのキャラとそこに繋がる人達はどうなってしまうんだろう?
誰が敵で誰が味方なのか・・・
歴史で聞いたあの名前がまさか・・・!?
設定を設定で終わらせない。
全てが作品を面白く見せる為のピース。
これが人ひとりの脳から生み出されてるって凄いよ。
この規模の世界を創世したモノがフリーゲームって、もうワケが分からないよね(誉め言葉)
④ここまで出来るぞ!コマンドバトル!!
フロントビューのコマンドバトルはもう飽きた?
否、ならば一度この作品をやってみて欲しい。
ボス戦の豊富な会話のやりとり。
異能VS異能の勝敗の分からない、限界突破のバトルの数々。
相手の異能をこちらの手札の異能でどう対処、切り替えしていくのか・・・
キャラボイスにエフェクト、オリジナルの立ち絵に必殺の演出、豊富なBGMの数々。
一部の強敵ボスは戦闘突入時に陰からその姿が浮かび上がるのですが、この雰囲気と盛り上げがたまらない!
PCツクール未プレイのCSツクラ―には是非にボス戦を見て欲しい。
極めれば、フロントビューのボス戦だってココまで面白く出来るのだ!
長編に合わせて雑魚戦はシンボルエンカ+オートでサクサク狩れるor回避できるバランスなのも◎
メインPTは最大6人ですが、物語の進行と共に同行するゲストの数や個性が豊富。
ゲストNPCはターンの終わりに攻撃や回復を行ってくれるのだけど、中には奥義(ド派手な必殺技)や追加効果の入る特殊な行動を行ってくれる者もいて一緒に戦ってくれてる感や、頼りになると思わせてくれるシーンが何度もありました。
特殊スキルには再使用出来る前のターンが設けられているのも、使用するタイミングの駆け引きがあって面白かったです。
主人公達は必殺奥義を習得していきますが、威力と発動条件のバランスがこれまた絶妙なんですよ。
アニメの主人公にでもなったかの様に、条件をこなして強敵にぶちかます快感を味わって欲しい。
強敵側もターン数が関連するバフやデバフ、そこに加わる奥義など、常人じゃそりゃ敵わないよなと納得出来る強さを持つのでボス戦の歯応え、上の次元で戦ってるという事を見せてくれた作品です。
正に憧れの、一つの完成された長編向けのバトルシステムと言えます。